歯周病は気づかぬうちに進行しています。

歯周病はプラーク(歯垢)や歯石の中に含まれる歯周病菌によって歯ぐきが炎症を起こし、歯を支えるまわりの組織や顎の骨をだんだん溶かしていき、放っておくと歯が抜け落ちてしまいます。初期段階では痛みなどの自覚症状がないので、気づかないうちに進行している怖い病気です。「歯ぐきの腫れ」「歯ぐきからの出血や膿」「歯のグラつき」「強い口臭」などの症状が現れたときにはすでにかなり悪化している可能性があります。

30代以上の3人に2人が歯周病と言われています。

歯肉の所見の有無(15歳以上・永久歯)(歯周組織に所見ある場合を歯周病とする)
「平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)」より

この症状歯周病のサインかも・・・

  • 朝起きたとき口がネバネバする
  • ハミガキをすると血が出る
  • かたいものが噛みにくい
  • 歯肉がむずがゆい、痛い
  • 歯がしみる

歯肉炎

【症状】
歯肉に炎症を起こしている状態です。歯ぐきが腫れて、ブラッシングのときに出血することもあります。
【おもな治療】
この段階は、プラークや歯石を取り除くことで、自然治癒が期待できます。

 

軽度歯肉炎

【症状】
歯肉だけでなく歯を支えるまわりの組織にまで炎症がおよんだ状態です。歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)が3mm程度と深くなります。
【おもな治療】
プラークや歯石除去が基本です。歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)の奥の汚れも

落とします。

 

中等度歯肉炎

【症状】
歯ぐきを支える組織の炎症がさらに進み、歯周ポケットが4mm程度とさらに深くなります。歯を支える顎の骨の破壊も進みます。歯ぐきが下がり歯がのびたように見える状態です。
【おもな治療】
場合によっては歯ぐきを切開して歯周ポケット奥深くのプラークや歯石を取り除きます。

 

重度歯肉炎

【症状】
炎症はさらに悪化し、顎の骨の半分以上が溶かされた状態です。歯周ポケットの深さも7mm以上になり、歯がグラつき、やがては抜け落ちてしまうことがあります。
【おもな治療】
外科手術や顎の骨の再生療法を行います。

 

定期的に徹底的な口内のクリーニング(お掃除)を受けていただいて、日々のケアのアドバイスもしっかり行います。歯周病治療では、ご自身で行うケアがとても重要です。歯磨きをはじめとするケアは毎食後、しっかり行う必要があります。もし毎週、歯科医院で徹底的なクリーニングを受けたとしても、ケアが必要な21回のうちの1回ですから、残りの20回はご自分でケアしなくてはなりません。当院では、最適な電動ハブラシの情報や磨き方、フロスなどの使い方について、わかりやすくお伝えしています。

歯周病は生活習慣病で、一度進行してしまったものを元に戻すことは非常に難しいです。しかし、適切な治療やケアをすることで進行をくい止めることは可能です(当院では、これ以上悪くなるのをきちんと止める治療を行います)。長期的な歯周病のケアについて丁寧にきめ細かくご指導いたしますので、「続ける」という気持ちを持っていらしてください。